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「仮免合格」

「長坂自動車教習所校舎」
「長坂自動車教習所校舎」

「仮免合格」

 

 

今日、なんと仮免が無事合格した。

しかも学科の方は実習生の中での最高得点の合格という結果を残した。

深夜に起きて、無駄か無駄かと思いつつ、勉強を重ねた成果が上がった訳である。

運転技能の方は、まだいくつか修正点はあるものの目立ったミスが一つもなく、合格となった。

具体的には、最初の進路変更の合図が遅れたことと、ハンドルが少しブレたこと、降車時の不注意の3点だったと思う。

それに加えて実習生の後ろに乗った同乗者が、安全なところで「あっ!」とか「うっ!」とか「あぶないっ!」「当たるっ!」とか叫んだせいで、その時無用に焦ってしまい何かミスをしたのかもしれない。。。

まあ、実際には当たりもしなきゃカスリもしなかったわけだが。。。

叫ばなきゃパーフェクトだったのに。

神様はそんなトラップを用意なさっていたとは、自分には誠に応える試練だった。

 

延泊して追加講習を受けて、こうして私は晴れてめでたく仮免試験に合格した。

もちろんたくさん自習もしたし、間違えたところの猛復習もして、頭と体に叩き込んで、自力で補っての成果であった。

まあ、私は今年43歳。

20代の生徒より覚えが悪い点ではハンディーキャップもあるし、運転での判断が遅れるリスクもあることだから、自習だけは徹底した。

 

やっと、安心できた。。。

そう思ったのも束の間。。。

 

午後に路上運転実習が続けて2コマいきなり入っていて、仮免取ったその日の第二の試練が待ち受けていたわけである。

えっ!?

もうですかっ!?

しかも時速50キロ?

ろくにスクーターも乗ったこともないような男が、そんな速度で実社会で車を飛ばす。。。!?

言ってみれば教習所の中のコース運転は、お家の中であった。

そこからいきなり大人の実社会に晴れて入って行ったわけだ。

 

路上実習1時間目は、正直怖くてたくさん冷や汗をかいた。

乗車5分もしないうちに、いきなり脇道から軽トラックが飛び出してきそうになり、急ブレーキを踏んでしまったのだ。

玉突き事故は逃れたが、最初の難は深く心に刻まれ、急ブレーキと急ハンドル展開だけはもうしないと、強く心に銘じた。

狭い道路で対向車がビュンビュン迫ってくるのも人生初。

いろんなところで右と左の合図も間違え、知らないうちに追い越しもされ、ようやく終わった頃には、もうぐったり。。。

ああ、これが道路交通の実世界か。。。

一息ついて、エナジードリンクを注入。

気合いをまた入れる。

休憩は10分もなく、路上実習2時限目スタート。

 

そしたらどうだろう!?

あれ、2回目の同じコースはなんだか楽しい気持ちが芽生えている。

ああ、これがドライブの楽しさなのか。。。!?

もちろん前方を見ているわけだが、一周目で気がつかなかった遠景の山の美しさも目に入るようになり余裕ができてきた。

運転実習はあっという間に難なく済んでしまい、今度は少し自信につながったのである。

時間も少しあまり、教習所の中のホームコースを2周ばかりして、実習2限目を終えた。

 

「ありがとうございました。」

教官にそう言って降りると、軽く目眩のような運転酔いのような状態になった。

そりゃ、走らせたこともないのに、仮免取ったらいきなりその日に2時間飛ばして道路実習だもの。

緊張と集中の連続で、疲れるわけだ。。

ああ、それにしてもハードであった。

いや実際には目眩なんかじゃないが、運転時の臨場感が体に残ってしまい、それが取れるまでに時間がかかったのである。

何しろ初めての運転だもの。

 

こうして、無事仮免試験日は過ぎていき、夕方にコンビニに自転車で買い出しに行き、夜には寮父に特製ラーメン「納豆豚骨ラーメン」をこしらえてもらい、安息のうちに眠りにつけたわけである。

その特製ラーメンは、寮父がとあるラーメン屋で感銘を受けて修行して身につけた一品で、麺は素麺風で本当に美味しい豚骨ラーメンであった。

私にとってのこの「仮免合格記念ラーメン」は大切な一杯となったのである。