「プロの芸術家の必要条件」
来る日も来る日も同じ練習をして、それを積み重ねる。
そして日々、芸の腕を落とさないよう維持する。
毎日の練習の積み重ねは、もちろん今よりも上手くなるための方法であるが、同時に技術を腕から忘れさせない方法でもある。
つまり腕の維持である。
ちょっと今日はきつい事を言おうと思う。
それに気がついた人に今よりも良くなってもらうためだ。
できるプロ野球選手が素振りを毎日必ずするように、強い幕内力士がシコを毎日必ず踏むように、熟練した芸術家も毎日筆を握って必ず絵を描いていなくてはならない。
これはプロの芸術家であれば、どんなに苦しくても必要条件なのだ。
そう、毎日必ず描く。
忙しいだろうが、病気だろうが、天変地異だろうが、毎日確実に時間を作って描くのである。
毎日、必ず筆を取らなきゃならないのだ。
それができていないのに、宣伝販売ばかりして一流芸術家を気取ったって、それは板に棒にもつかないアマチュアのままなのである。
やるなら、毎日確実に筆を握り、宣伝販売も同時にこなさなくてはダメだ。
そうでなきゃ、本当にプロ芸術家とは言えないだろう。
なんでも売れればプロというのは、大きな間違いである。
それじゃあ、売り方さえうまけりゃ売れるだけであって、芸術家でなくて営業マンなのだ。
プロの芸術家は、まず「描いて」、それから売って、本当になんぼなのである。