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「人間の品格」

「天地創造」S100/ミクストメディア【2018年 第二回 新構造東京展 出展作品】
「天地創造」S100/ミクストメディア【2018年 第二回 新構造東京展 出展作品】
Yutaka Michael Maria KAMEGAYA
Yutaka Michael Maria KAMEGAYA

「人間の品格」

 

 

人間の品格は、話す言葉と毅然とした行いに現れる。

貧しくても富んでいてもそれに違いはない。

着ている服や、身に纏う肩書きに関係なく、その人の立派な言動によって品格は作られるのである。

 

品格とは上層階級のものではない。

貧乏人だって品格はあるのだ。

 

例えば、巨匠映画監督:黒澤明の時代劇映画に出てくる三船敏郎は、貧乏浪人で姿格好はボロボロでも、人間の品格が溢れ出ている。

彼は話す態度は少々乱暴だが、言葉と行いが熱く潔く、何よりも命を懸けて仲間を守っていることで、最上級の男の品格を滲み出している。

それだけではない。

この人間の歴史上、偉大な思想を残した四聖(ししょう)と言われる、キリスト、ブッダ、孔子、ソクラテスは「人類の代表者」と言って良いだろうと思うが、彼らはみんな一様に貧しかった。

4人とも貧乏人だったである。

彼らは、貧しさの中にそれぞれに、自分独自の福音や思想や哲学を作り上げ、人間の品格のそのもの自体を作り上げた。

そして、4人それぞれにそういう自分独自の品格を身に纏い、苦しさの中で大衆や権力と闘った人類の代表者たちであるだろう。

 

現代日本社会では「品格」の無い者が溢れかえっている。

私は街中や電車の中のような公共スペースで、誰かの目に余る迷惑行為を、一昔前よりも頻繁に見るようになった。

例えば、私の経験した電車の中での迷惑行為はこんな感じだ。

精神不安定な者が人の隣に来て、いきなり菓子パンを食べ始めたり、缶ビールを飲み始めたりした。

また、ある幼児を連れた母親が、座っている私の耳元で子供とジャンケンを始めて大騒ぎし、最後には座っている私の悪口をオンパレードした。

またある時は、汚いおじさんが自分の服についた埃をこちら側に払ったり、鼻くそをほじってこちらにピンと弾く、などあった。

やれやれである。

私はそういう残念な人々を見ると、弱者を助ける意味を一瞬考えてしまう。

社会的弱者と言われる方々が、そういう迷惑行為を平気で起こしているのを、哀れに思う。

彼らに「品格」は見当たらない。

迷惑を起こす輩は、自分のことしか頭にないので迷惑を起こすのである。

周りの人など、人だと思っちゃいない。

そうならないように、自分は気をつけたいものだ。

 

日本人はだんだん貧しくなり、コロナや戦争で他人行儀の今の時代だからこそ、逆に人間としての「品格」が大事なのである。

「品格」があるから愛と平和が保たれるのである。

我々は「品格」のある人間になれるよう、特に今の貧しい日本社会のなかで、努力したいものだ。