東屋「梨楽庵」にて芸術談義
工藤幸伸さんの芸術指導
「2023年7月芸術村4日目、画家・工藤幸伸氏ご宿泊」
今日は仲良しの現代画家・工藤幸伸さんがご宿泊になった。
彼は現代抽象画家で、額縁まで自分で一からオリジナルで作る額縁作家であり、額縁教室の先生もしている新進気鋭の芸術家である。
私は前々から彼の泊まってくれるのを楽しみにしていた。
私が以前購入した彼の絵を芸術村に飾っていたら、隣の若神子村のRさんがその絵をとても気に入ってしまい、そのことを彼に話すと「Rさんに会いに行きたい。」となって、晴れていらっしゃることになったのである。
実はRさんが工藤さんを高速バスの須玉停留所まで自家用車で迎えに行ってくれて、工藤さんは2時半頃ご到着された。
そうして芸術村スタッフの妻と私の2人と、Rさんと工藤さんの2人、合わせて4人が芸術村で顔を合わせたわけである。
工藤さんは芸術村に着くなり東屋「梨楽庵」でまずコーヒーで一休みしたのだが、もう得意の工藤節で話し始め自分の作品について熱心に語り始められた。
話しながらご自分で持参された膨大な作品の数々を私たちにお見せになり、彼の考える「絵とは何か?」をご教授して頂いた。
その次はRさんの芸術村で初めて描いた絵についての、工藤さんの講評がはじまった。
実は彼に去年その絵を描かせたのは私であり、彼が絵を描き始めるきっかけ作りをした作品だった。
というのも、Rさんは私の芸術村での絵画教室の生徒さん第一号でもあるのだ。
Rさんは興味津々に聞いていて、ところどころ工藤さんに突っ込んで聞くシーンもあり、非常に白熱した話し合いとなった。
それからRさんは一度家に帰り、自分の買った絵画作品コレクションを持参してもう一度お越しになった。
そして今度はその絵についてのみんなの感想会が始まった。
Rさんの特にこだわっていたテーマは「絵を描くために突き抜ける方法」で、それを工藤さんはじめ我々にも聞きたがっていた。
その答えについては、始めは「誰も突き抜けられない。」「突き抜けたらもう絵を描かなくなる。」と諦めの見解で一致していて、彼にもそれを伝えると「なんだあ、みんなそうなのか」と笑っていた。
しかしその後、楽しいバーベキューの宴をしていたら判ったのだ。
さまざまな話題を織り交ぜて6時間も美術談義を繰り広げていたら、我々なりに答えが出てしまった。
「日々一生懸命描き続け、神様や人々に感謝すること。」
とまとまった。
それがみんな一致して導かれるように判ったのだった。
それを思うと、なんと素敵な宴であっただろうか。
こうして工藤幸伸さんのご宿泊された1日目は素晴らしき善き日となったのであった。