芸術村の桔梗(キキョウ)
「2023年7月芸術村10日目」
朝ザーザー振りの雨が音を鳴らした後は気持ちよく晴れ、今日は涼しげな1日であった。
一旦暑さはどこかへ行ったようである。
私は主にパソコンの仕事を今日は東家でしていた。
来月イベントの宣伝やチラシ作り、経理の仕事などである。
さて、経理の仕事をしていると、こないだ電気屋さんに直してもらった外灯の領収書をもらうのを忘れていたことに気がついた。
急いで亀田屋電器に電話したら、その30分後にはいつもの軽トラックで来てすぐに届けてくれた。
亀田屋電器さんは話好きで、メインの修理の仕事の後には、必ず講話がオマケでくっついてくる。
特に彼は美術鑑賞が大好きで、どうしたら私の絵が一億円になるかの話をするのが大好きだ。
こういう風な方法論でそういう風に描けば、絶対良い絵になり価格がグンと上がる。
そんな話が大好きなのである。
そういうわけで、今日も領収書の受け取りの後も、美術講話がくっ付いてきて30分ばかり話し続けた次第である。
私もその話が参考になるし、彼がそれを話すととても楽しそうな顔になるのが、私は大好きなのである。
今日彼が話していたのは、私に「自分なりのキリスト像を描け!」というアドバイスであった。
しかも、観たものがまるで匂いを嗅いでわかるような感覚で、見るだけで、「ああ、これがキリストだ!」とわかる絵を目指せ、と。
それを本当に楽しそうに話すのである。
私は、その楽しそうな姿を見るだけで大満足していて、この芸術村を始めた甲斐があったなあ、とつくづく感じるのである。
ここが芸術村でなければそんな話は絶対してこないし、芸術村であるからこそ誰でもアートを心置きなく話せるのである。
たとえ一塊の電気屋さんだって、思う存分に芸術に対する胸の内を話せる。
そういう空気を作り上げたことが、この芸術村を始めた私にとっての第一の成功であった!
今日は、彼がそれで一瞬なりとも芸術によって心を解放できたことを嬉しく思っている。