銀座ギャラリー暁「今を駆ける風たち」
「苦しさと共に生きる」
今日僕は生まれる。
苦しさと共に。
決して心地の良くない感触を味わいながら、この世界で呼吸をし始めるのだ。
朝起きて寝るまでの「今日」という、今日限りの人生を。
「生きるのが辛い。」と、自制している口が喋ろうとする。
でも言ったらおしまいだと思ってます。
だって口に出したら、辛さが鮮明になってしまうものね。
だから言いたい衝動に掻き立てられたら、私は芸術をするのです。
私の辛い思いは作品に込める。
あとで作品を見た私が、その時の辛さを記憶できるようにです。
辛いのが嫌なのに、辛いのを作品に記録して尊ぶとは一体どういうわけでしょうか?
私はマゾヒストなわけではありません。
でも辛い過去の記憶を未来に対しても留めておきたいのです。
「その時の辛さ」こそが、その時ありありと煩悶して生きた「私の証」だからです。
辛さとは、この世に刻印した、私の存在証明なのです。