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「芸術家は美術界でもバカにされる」

人形町のパン屋さん前で
人形町のパン屋さん前で

人形町界隈と清澄庭園


「芸術家は美術界でもバカにされる」

 

 

私は美術公募団体や美術協会に入っているが、その中でも「芸術家」としてその存在に周りとは一線を画している。

よくその中で言われて複雑な気分になるのは、年上の会員に「やっぱ芸術家は違うね~。」という言葉を聞く場合である。

昨日も某美術団体のスケッチ会で、ニコニコされながらそう言われて、反応に困った。

 

私は「君は芸術家だね」と言われる度に、美術の世界の人間を情けなく思う。

「え!?なんですか?あなたは美術団体にいるのに芸術家じゃないんですか?」

と、内心強烈に思ってしまう。

私を特別視して褒めているのかもしれないが、集団から疎外されている気分にもなり、私をバカにしている気持ちも半分なんだな、と思うのである。

年上から年下へ「芸術家」だと笑って話しかけてくるのは、なんだか芸術家をしているのは美術団体の中でも突拍子もないのだと、イジメに遭っているようにも感じてしまう。

 

私は10代の若者だった頃、この美術の世界に入るまでは、美術団体などの専門的な組織にいる人間は、みんな芸術家なのだと思っていた。

でも入ったらそれは一部の人間がそうであって、大体はそうじゃないのである。

みんな自分のことを「絵描き」だとは思っていても、「芸術家」だとは思っていないのだ。

逆に、みんな自分は美術をやっていても、芸術はやっていないと自負している様子である。

むしろ「芸術家」だなんて言うのは、大々的で烏滸がましく恥ずかしい、と言う意識が蔓延している風態なのだ。

 

あ~日本の芸術家が育たない原因はコレだな。。。

芸術をやっていると、美術団体の中でもバカにされるんではなあ。。。

はっきり言って、美術の組織を構成する者の意識がそれじゃあ、若手や新人が育ちようがありません。

 

日本の芸術家が芸術一本で充分な生活費を稼ぐようになるためには、私はまずこの風潮を変えなくてはいけないと、痛切に感じている。