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「深夜コンビニで写真印刷」

KAMEGAYA写真作品

モデル:山内美由樹 撮影機材:iPAD mini5


ESSAY

「深夜コンビニで写真印刷」

 

 

フォトコンテスト応募の写真を印刷するために、真夜中、プリンターを動かしたら、なんとも調子が悪い。

何枚か写真を刷ってみたら、蛇腹の線が入ってしまった。

5回クリーニングすれば平気だろうとやってみたが、全然直らない。

ああ、これはもうプリンタヘッドの故障だな。。。

それにしても参ったな、明日までにモデルの友人に頼まれた、A4サイズ20枚を印刷せにゃならないのに。。

実は、私ももちろん応募するのだが、私の写真でモデルをしてくれている友人も、このコンテストにモデルとして応募するのである。

彼女に20枚印刷をお願いされたわけであった。

 

めげてはいられない。

よし、こうなれば、コンビニだけが頼りだ!

そう思って深夜3時にファミマへ自転車を飛ばす。

A4で光沢紙印刷モードを選び、いざ印刷すると・・・なんだかあんまり綺麗じゃない。

う~む。。。残念だ。

でも、蛇腹の線が入るよりは全然良い。

こうして無事頼まれた20枚は印刷できたのである。

 

今度は私のコンテスト応募分のA4写真を30枚を印刷しなくてはいけない。

そう思って、お金を入れようとすると、千円札がマルチコピー機に入っていかない。

「???」

なになに。。。「釣り銭がなくなったために補充してください」と液晶版に出ている。

店員に言うと、店員では直せないらしく、他のコンビニに行くように頼まれてしまった。

仕方ねえな。。。

用賀の街にはもう一軒ファミマがある。

冷える真夜中に手袋とニット帽で身を固めて、またそこまで自転車を飛ばした。

 

街には深夜、人がいないとおもったら結構まばらに、おじさんばかりがいた。

どうやら警備の仕事の帰りのおじさんや、これから工事現場に向かうおじさんなどだ。

あとは、夜中しか回収できない産業廃棄物用のゴミ回収車が、駅前で轟音を立てていた。

この人たちのおかげで、この国は成り立っているのだなあ。

しみじみ誇らしく思う。

 

店に着いてマルチコピー機を探すと見当たらない。

ぐるっと店内を回ったら、店の端っこに隠れていてた。

そして、USBメモリーでデータを機械に入れて、狭いスペースでA4光沢紙30枚を無事印刷できた。

 

そして帰ると、4時半。

もう早朝だ。

お風呂に入って、妻と朝食を食べたら少し仮眠をした。

今日は朝8時に家を出て、新構造展本展の作品陳列業務に赴かなくてはならない。

と言うわけで、今日もまた1時間しか寝ていないで、写真の仕事の後に、絵画の仕事に向かうのであった。

我ながら芸術まみれの人生だ、と心で自分に納得している。

 

 

【俳句】

・夜半の冬 コンビニめがけ 自転車で

・寒暁や 仕事の男 彷徨(うろつ)いて

・手袋に ニット帽往く 暗行路

・寒暁の 風呂浸かりしや 朝支度

・寒き夜 珈琲薫る 描き仕事