第95回記念 新構造展
出展作品 F200号『聖母の夜明け』
国立新美術館全景
芸術家:亀ヶ谷 豊
ESSAY
「95回記念新構造展スタート」
2023年11月29日(水)の、本日より新構造展が始まります。
今回は「第95回記念 新構造展」であり、新構造展も設立以来95年も毎年展覧会をしている格好となります。
本当は97年間の歴史があり、途中の歴史で2年分の2回だけ展覧会開催を休んでおります。
1回めは「第二次世界大戦の戦時中」に展覧会を休み、2回目は最近の「コロナ蔓延」で展覧会を休みました。
実は「日展(日本美術展)」よりも古いです。
「新構造展」は、現在の「日展」がはるか昔に「帝展」や「文展」と言われた頃に設立されており、その頃の「帝展」の文化体制的な性質に対抗する組織として、「構造展」として組織創設されました。
その始まりは、実は彫刻の団体でありました。
そして最初は団体名の頭に「新」が付いていませんでした。
しかしながら、歴史の途中から「新」が付き「新構造展」として発展し、今では絵画・版画・写真・彫刻・工芸と5分野に渡り発表できる、世界視野での文化展開をする団体として位置付けています。
その中身は、作品における個のアイデンティティーを尊重しあい否定しない、むしろ異質な作品同士で切磋琢磨して、お互いの作品制作の成果を褒め合う、そんな性質の団体です。
「日展」の性格は、日本の中での美術文化を発展させることに始終しておりますが、我々はいわばその逆を行っています。
つまり、日本のみならず世界に対して、日本美術文化を対外的にアピール、醸成させているのです。
「新構造展」は、そう言う性質を帯びた団体として作られたわけであります。
その証拠に我々は、台湾を代表する芸術家たちの作品も展覧会で展示し、受け入れています。
数年前より受け入れを始め、我々も台湾にて日本代表作家として、台湾建国の父:孫文の「国父記念館」にて展示させて頂いているのです。
国を超えて、お互いの国の最も大きな美術館で、相互に発表し合っております。
さて、新構造展についてあらましを書きました。
やっと待ちに待った、新構造展のスタートですね。
私は、200号大作絵画作品「聖母の夜明け」を描き上げ、発表する運びとなりました。
200号を描いたのは人生初の仕事でした。
あいにく、受賞にまでは至りませんでしたが、作品の大きさでの自分の限界を超えて200号を無事描き上げた充足感と、展示できる喜びに浸っております。
昨日、美術館内での作品陳列の仕事に従事したのですが、担当した空間の陳列はうまく行きましたし、私の作品の陳列は他の方が担当しましたが、その展示風景にも納得いっています。
さあ、2週間作品が展示されて、世の中に晒されます。
新構造展は一年の中で、最もスリリングで楽しい機会ですね。
褒められるだけではありません。
晒している以上、貶されることも体験します。
ぜひ、会期中は足繁く通い、鑑賞客の方々の反応も見て、自分自身も楽しもうと思っております。
【俳句】
・寒昴(かんすばる) 新構造の 作家たち
・いざ征かん 映える初冬や 展覧会
・絵と絵との 狭間星飛ぶ 外(そと)宇宙
・絵の宇宙(そら)や 我が冬空と 重なりて
・寒暁の 海に現わる 聖母かな