第95回 新構造展 初日
F200号『聖母の夜明け』
生徒や仲間たちの作品
展覧会初日の私たちの様子
ESSAY
「新構造展初日」
今日は朝イチで国立新美術館へ妻:愛琥と来た。
愛琥は着物で身を固め、自身の作ったボレロを上に羽織って、十字架ネックレスという出立ちだ。
私はというと神父ファッション。
全身黒のスーツに黒のシャツで身を固め、靴だけ真っ黄色に、首からは特大オリジナル革十字架ネックレス、といった具合だ。
夫婦揃って目立った格好で、地元から乃木坂の新美術館まで電車で通勤した。
乃木坂に着いた時間は9時ちょっと過ぎ。
なんとまだ、地下鉄乃木坂駅から美術館へと続く直結口のシャッターが降りている。
なんだ入れないじゃん。
ということで、出口階段を登って外に出てぐるっと美術館の周りを半周する形で、散歩をした。
なだらかな坂を登り、正門前まで来ると門はまだ閉まっていて入れない。
仕方がないので、六本木ミッドタウンの横の公園で愛琥と一息する。
そして、やっと入れました。
10時10分前。
愛琥は着物がズレたのでトイレで直して、それから2階A・B室の「新構造展」会場へ向かった。
10時ぴったりに会場入り口に着くと、入り口前には中谷理事長がもういた。
挨拶して中に入ると、もう理事の方々は受付や事務などの仕事に従事されたいた。
そして今日は、私は出展者として会場内を観覧する。
遠方にて初日来れない出展者たちの作品撮影をして、ラインで写真を送って差し上げることから始めた。
途中、生徒の【高田とうこ】さんが来て一緒に観覧したり、歓談し、写真撮影に勤しむ。
そうこうしているうちに11時になり、会場入り口に戻った。
実は今日は私の仲間の七人でランチをする約束になっており、近くの中華屋に行く予定だったのだ。
一人、【タンタン】さんが遅れて合流し、店前へと向かった。
愛琥(現代美術家で妻)、TAmAKI(生徒でCG作家)、ロミ石川(帽子作家)、高田とうこ(元プロ漫画家で美術家のたまご)、タンタン(モデルでアクセサリー作家)、大原(セツモードセミナー先輩元セツゲリラの美術家)、私:亀ヶ谷、の豪華七人メンバーだ。
一人だけでもずば抜けた個性なのに七人もそれがいる。
しかも一人一人のファッションが皆違い、各々が飛び抜けて目立っていて、見た目も中身もとんでもない天才だらけの集団となってしまった。
それが近くの中華屋「蒼龍唐玉堂本店」で一番目に並んで、楽しい会食へと与った。
席は二手に分かれたが、酒も飲む人は飲み、皆で楽しい時間を共有できた。
帰りに店を出る時には待っている客の長蛇の列ができていた。
目立つ私たちがここでランチしたことで、店にたくさんの客を引き寄せたようだった。
ランチが済むと、新美術館「新構造展」会場に戻る。
そして、各々が、会場内に陳列された各々の作品に出逢いにいく。
そしてまた、作品の写真撮影や歓談で、時間が楽しく過ぎていった。
私の作品『聖母の夜明け』は嬉しいことに大好評であった。
コラージュを含めて、中身がとても良いと言ってもらえたが、まず200号という大きさで皆をビビらせることができた。
なにしろ横の長さだけでも、2.6メートルもあるのだから。
本当の人間と同じくらいの身長の聖母マリアが、縦1.6メートルの寸法の中に収まっているのだ。
生徒のTAmAKIさんの100号作品「心の解放」も、一般出品者の中で壁の真ん中にドカンと位置していて、大迫力で素晴らしく、皆からも大好評であった。
またもう一人の生徒の高田とうこさんの30号作品も素晴らしい作品だと皆に褒めてもらったし、観光で訪れたインド人男性の観客には、彼女の出した小品部門の6号作品に向かって「ホクサイ!!」と叫ばれたそうだ。
生徒で同志の大原さんの絵の天才ぶりにも、皆、驚かされた。
私は膨大な作品の数を今まで見てきて知っているが、こんな絵を描けるのは日本でただ一人、大原さんしかいないだろう。
私が思うに、大原さんは七人の精鋭の中で一番の天才だと思っている。
そんな感じで初日はそこで解散し、帰る者は帰り、残って外でお茶する者はまたどこかしらに向かった。
私はお茶組で残って、ミッドタウンのカフェでお茶し、あとは妻と家路に着いた。
家に帰ると、午後6時。
こうして、私の新構造展初日は皆を引率し、非常にやり切った一日となったのである。
【俳句】
・美術展 弟子が「ホクサイ」 呼ばわれし
・美術展 「心の解放」 弟子描き
・冬の酒 担々麺と 頬張りて
・冬中華 騒ぐ円卓 回し喰い
・アツアツの 車海老チリ めしに盛る