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『「良い人間」になる方法』

友人アーティスト:石黒喜子

友人アーティスト:石黒喜子さんの「手の決めポーズ」をF200号作品の前で
友人アーティスト:石黒喜子さんの「手の決めポーズ」をF200号作品の前で

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ESSAY

『「良い人間」になる方法』

 

 

手っ取り早く、良い人になりたいですか?

良い人と書くと「どうでも良い人」となりそうですが、他者から見ても「善い人」という意味です。

善い人になれる最短ルートを教えましょう。

それは、「人を本当に愛すること」です。

好きなだけじゃダメです。

自分の言葉や心や行いを、相手に捧げるのです。

どんなに穢れていて、汚れていても、捧げて深く愛することを知っていれば、心は本当に救われます。

その結果、善い人でいられるのです。

善い人になりたいからと、わざわざ善行を施す必要など微塵もありません。

他者へ自分自身を捧げ、深く愛していれば善い人になれます。

 

例えば悪人の話をしましょう。

平気で人を騙す、冷たい策略家に会ったことはありますか?

暴力を良しとして、いつも汚い拳を振り上げる悪党に会ったことはありますか?

彼らだって、実は身近な関係でいる人達をちゃんと愛しているから、心は平穏に救われているのですよ。

極端な話ですが、平気で人を殺せるワルも、女を愛したり花を愛でたりする心の綺麗な良い一面があるのです。

人を騙したり危害を加えておきながら、そうやって彼らも本当は救われたいのです。

だからワルは綺麗なものを愛したり、ワル同士を深い絆で愛する。

そうすると、もうそのワルはワルでも「良いワル」なんですよね。

実は、悪人こそ、悪いことをしている気持ちに苛まれ、善い人間の顔を捨てられないのです。

 

じゃあ、一般ピープルはどうかと言えば、もっと性根が悪いかもしれません。

それは、さまざまなことに「無関心」でいるからです。

愛の反対は「無関心」です。

彼らは、関係を作ることを嫌い、愛しません。

その代わりに、「嫉妬」や「自己嫌悪」や「他人の悪口」に終始しています。

そんな中でも、恋人同士やファミリーなどで、愛することを知っている人たちだけ、辛うじて救われているようですね。

一人の人は「孤独を愛する」と言って、本当に他者を愛しません。

娑婆世界にまつわる愛の傾向を簡単にまとめると、そんな感じですかね?

「良い人間」になることが罪であるような思想を説く本まで出回り、本当に人を愛せない人間が多く、「善い人間」が少ないです。

 

まあ世の中無情なものですよ。

そんな中で、結局は愛が自分を救います。

愛することが魂を救い、その人間を善く変え、「良い人間」にするのです。

 

 

 

【俳句】

・善い悪い シーソー冴ゆる 娑婆世界

・サマリアの 善き人助く 冬乞食

・冬の暮 ワルい奴ほど よく眠る

・良くなりてぇ ワルの愛する 花吹雪

・ワルどもで 愛し愛され 春を待つ