友人アーティスト:石黒喜子
石黒さんの撮影してくれた新構造展
今年の冬のイルミネーションの数々
ESSAY
『「良い人間」になる方法』
手っ取り早く、良い人になりたいですか?
良い人と書くと「どうでも良い人」となりそうですが、他者から見ても「善い人」という意味です。
善い人になれる最短ルートを教えましょう。
それは、「人を本当に愛すること」です。
好きなだけじゃダメです。
自分の言葉や心や行いを、相手に捧げるのです。
どんなに穢れていて、汚れていても、捧げて深く愛することを知っていれば、心は本当に救われます。
その結果、善い人でいられるのです。
善い人になりたいからと、わざわざ善行を施す必要など微塵もありません。
他者へ自分自身を捧げ、深く愛していれば善い人になれます。
例えば悪人の話をしましょう。
平気で人を騙す、冷たい策略家に会ったことはありますか?
暴力を良しとして、いつも汚い拳を振り上げる悪党に会ったことはありますか?
彼らだって、実は身近な関係でいる人達をちゃんと愛しているから、心は平穏に救われているのですよ。
極端な話ですが、平気で人を殺せるワルも、女を愛したり花を愛でたりする心の綺麗な良い一面があるのです。
人を騙したり危害を加えておきながら、そうやって彼らも本当は救われたいのです。
だからワルは綺麗なものを愛したり、ワル同士を深い絆で愛する。
そうすると、もうそのワルはワルでも「良いワル」なんですよね。
実は、悪人こそ、悪いことをしている気持ちに苛まれ、善い人間の顔を捨てられないのです。
じゃあ、一般ピープルはどうかと言えば、もっと性根が悪いかもしれません。
それは、さまざまなことに「無関心」でいるからです。
愛の反対は「無関心」です。
彼らは、関係を作ることを嫌い、愛しません。
その代わりに、「嫉妬」や「自己嫌悪」や「他人の悪口」に終始しています。
そんな中でも、恋人同士やファミリーなどで、愛することを知っている人たちだけ、辛うじて救われているようですね。
一人の人は「孤独を愛する」と言って、本当に他者を愛しません。
娑婆世界にまつわる愛の傾向を簡単にまとめると、そんな感じですかね?
「良い人間」になることが罪であるような思想を説く本まで出回り、本当に人を愛せない人間が多く、「善い人間」が少ないです。
まあ世の中無情なものですよ。
そんな中で、結局は愛が自分を救います。
愛することが魂を救い、その人間を善く変え、「良い人間」にするのです。
【俳句】
・善い悪い シーソー冴ゆる 娑婆世界
・サマリアの 善き人助く 冬乞食
・冬の暮 ワルい奴ほど よく眠る
・良くなりてぇ ワルの愛する 花吹雪
・ワルどもで 愛し愛され 春を待つ