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「高望みして良い」

昨年2023年個展『十字架の風に惹かれて』


ESSAY

「高望みして良い」

 

 

今日は、日本人が戦後から言われている独特の教えに、疑問を呈したいと思います。

 

昔から日本では「高望みはするな!」とよく言われています。

お金持ちになったり、美女やイケメンと付き合ったり結婚したり、子のある親は子供を優秀な学校に入れたり、そんな事などを望むのはやめてしまおうというわけです。

ですが、そんな諭しは茶番に感じます。

私から言わせれば、そんなに誤った日本特有の同調文化はないと思います。

現実には高く望んだ通りになかなかならないから、諦めろ、という理屈ですよね?

そんなことでめげているようでは、本当の望みは手に入りません。

人生で本当のことを教えてあげましょう。

「高く望むから、高い結果が生まれるのです。」

 

例えば最近、私は電車の中で、とても惨めな気持ちになりました。

ある日、銀座線に乗っていると、スーツで身を固めたサラリーマン集団の会話が聞こえてきました。

「あいつ最近オシャレしてるけど、どこにそんな金持ってたんだ?」

と会話が大騒ぎして弾んでいて、そこに居ないオシャレをしている仕事仲間をターゲットに、みんなでゲラゲラ笑ってあれこれ貶し合っていたのです。

それって、お金をより多く持っている人間を叩くイジメ行為ですよね。

正直、それだけで今の日本が嫌になりました。

志の高い人間の足を引っ張る同調文化が、このように旧態依然として残っているのを目の当たりにしたからです。

 

今の日本人の多くは、「高望みするな」とお互いの足を引っ張り合っているだけで、なんの成長の種もそこにはありません。

「出る杭は打たれる」ことを、お互いにしているだけです。

昔は、上司から言われたことをただやっていれば、贅沢するお金を稼げるほどにもなりました。

それが今じゃ破綻している。

散々こき使われて、最低賃金しかもらえないで、苦しんでいる人だらけじゃないですか!

それは親や教師の世代が、高望みしない同調文化を今のおじさん、おばさん世代に植え付けた結果だと思います。

低く望んで自分を抑えつけたから、お財布も人間性もそれなりの低い人間にしかならないのです。

 

むしろ堂々と高望みをしても良いと思います。

世界の人々を見てください。

アメリカ、中国、インドなど、海外の多くの人々が高く望んで、その通りに努力して行動し、望んだ結果をものにしているじゃないですか!

そういう姿を見ていると、日本人はこれからもっと、高く高く望まなくちゃいけない。

アメリカンドリームのように、ジャパニーズドリームを作っていかなくてはいけないと思います。

 

でないと、日本の経済も文化も今以上に潰れてしまいます。

今の日本は一握りの富裕層を抜かして、多くの人々が貧しく惨めになりました。

それはみんな呪文のように「高望みするな」と頭の中で唱えているからです。

皆、「高望みしないことが謙虚で美しい」と信じていますが、実際は貧困による惨めな争いがひと昔以上に増えたように感じております。

それで、日本は本当に良いのでしょうか?

いや、良いはずがありません。

 

これからは「昔の戒め」は世界で通用しません。

皆、志を高く持ち、ぜひとも高い結果を各々に望んでいきましょう!!

 

 

【俳句】

・春景色 高く望めば 高くなる

・低く生き 高く望んで 春結ぶ

・人間は 諦めだすや 冬の果て

・いつまでも 夢追いかける 青い春

・闇選び 春光はじく 世間人