「港の作家美術協会」湘南ツアー
参加者記念集合写真
10/10(木) 平塚市総合公園:桜の広場にて
平塚市総合公園にて
ESSAY
「『港の作家』湘南ツアー」
本日は「港の作家美術協会」で主催する年に一回の秋のイベント旅行です。
イベント旅行「イベント」というのは、美術協会の旅なので風景をスケッチすることがメインですが、スケッチを描いても良いし、また描かないでも、素晴らしい風景の中でのひと時を楽しんだり美術館の観覧をしたりと、旅に遊びに加われるだけで大歓迎という趣旨です。
この度は、湘南エリアである平塚を旅することとなりました。
具体的には平塚市総合公園でのひと時と、結婚式用教会建築を所有する「ホテルサンライフガーデン」での宿泊をしました。
私は、昨日は相模原古淵に用事で一泊してからの、平塚での新たな一泊でした。
愛車ハイエースで、古淵から平塚まで「1人きり」で運転して参りました。
「1人きり」というのは、実は今まで必ず助手席に妻:愛琥がいてくれましたが、それでは今後運転が自立できないので、今回初めて助手席には誰も乗ってもらわず「1人きりの運転」を挑戦してみたという意味なのです。
古淵から平塚までは高速を使わず、一般道で1時間半の道のりでした。
途中、どこかの高架下で右折せずに直進して道を間違えましたが、無事に安全運転で辿り着きました。
前日泊まった古淵ホテルでは、一晩中パソコン仕事に勤しんでいましたので、殆ど寝ていない状態での運転で、運転前に非常に不安がありました。
でも、港会でする記念集合写真撮影の時間のことを考えて、あんまり遅れるわけにはいきません。
こんなハードな運転も予め予想していたので、栄養ドリンクを3瓶買っときまして、験担ぎに全て飲み干して運転に挑みました。
まあそうして平塚市総合公園に着いたのが、12時半でした。
無事に安全運転でたどり着いて胸を撫で下ろし、早速スケッチポイントを目指しました。
仲の良いイベント委員の「星川 誠子」さんに電話してどこにいるのかを尋ねた後、彼女のいる「桜の広場」をまずは目指しました。
近づいていくと、星川さんが桜の木の根元に足を開脚して広げて座り、熱心にスケッチしている姿を発見しました。
それで実は記念集合写真を撮るのが、この桜の広場で12時半の予定でしたので、もう描く時間があまりありません。
本当は日本庭園に行ってリアルにそこで生風景スケッチをしようと思っていましたが、実は運転で気疲れして気が進みませんでした。
なので、日本庭園に行ってiPadで写真だけ撮ってきて、その写真を見て桜の広場にあった屋外テーブル席で描くことにいたしました。
今回挑んだ支持体は、縦54.5センチ×横78.8センチの四六判半裁サイズ、広げた新聞紙の半分のサイズの高級水彩紙「ミューズタッチ2」の特厚口タイプです。
この特厚口水彩紙は私の一番のお気に入りの紙で、まずその厚みからして普通とは違う特別感があり、絵の具を何度も上から塗りたくっても紙が破れずにへこたれないダメージに強い仕様の紙です。
この紙で作品を仕上げると、分厚いので重量もあり見た目にもゴージャスで、しっかりした作品としての一流の品格を漂わせる事ができるのです。
私は「ミューズタッチ(現在は改良されてタッチ2)」の良さに「セツ・モード・セミナー」に在学していた学生時代から気が付いていて、もうかれこれ25年間もの長きに渡って美術用紙販売会社「ミューズ」から、直接定期的にこの「四六判半裁サイズ」を60枚ずつ仕入れています。
さて、日本庭園をiPad写真を見て描き始めましたが、描く前の準備中にいきなりのアクシデントです。
突然の突風に襲われて、テーブル席に広げた2枚の大きなミューズタッチ2が遥か彼方を目指して芝生の上を転がって行ってしまい、まるで童話「おむすびころりん」の様子で風で荒れ狂って逃げる水彩紙を追っかけました。
まあ、絵を描き始めた後は順調に描けていきまして、40分ほどで6割程度絵描く事が出来ました。
少しできてきたなと思ったら、気が付けば周りには港会の参加会員の皆が集まってきていて、いつの間にやら会長が座っていた別のテーブル席で、そのまま記念集合写真を撮る運びとなりました。
その後は各々に用意した弁当を広げてのランチ会食。
私は、星川さんが親切な事に私にくれたおにぎり屋「おむすび権兵衛」の鮭おにぎりを食べると、車へ戻り、ホテルサンライフガーデンへと向かいました。
このホテルに付属している教会がいち早く観てみたかったし、スケッチしたいなと思ったからです。
車を公園から5分ほど走らせると、教会付きホテルに着きました。
午後2時半に着きましたが、フロントの受付嬢に掛け合うと、午後3時からチェックインのところを早めに部屋に入れてもらえました。
そして、荷物を5階宿泊部屋に入れた後に、「よし!教会を描くぞ!」と意気込んだところ、なんだか疲れに急に襲われてぐったりベッドに雪崩れ込みました。
ああ、昨日はほぼ寝ていないでの深夜机仕事だったし、運転も助手席者なしで1人で初めてして1時間半も交通量の多い下の道で来たからな。。。それにつけて、大きなサイズの水彩紙へ日本庭園スケッチをぶっ続けで描いて、これじゃあ疲れるのも無理はないですね。
そのまま私は1時間ばかり寝てしまいました。
その後起きると、6時の夕飯スケッチ発表会までの間に、途中6割程度まで描き上げた日本庭園スケッチの続きに着手し、「ペン画作品」として完成させました。
夕飯前に、星川さんから電話が来て「417号室へおいで下さい。」と、急に突然のプライベートなお誘いを受けてちょっとドキドキして彼女の部屋へ向かってみると、予想とは違ってそこは彼女の部屋ではなく会長の部屋で、港会イベント参加メンバーが既に揃って一堂に会していました。
「ああ、なんだ・・・夕飯前に軽くお疲れさま会でもやるんだな!」とそこで私も理解でき、ビールやらおつまみやらを遣ってひと時を過ごしました。
その後、皆で2階夕飯会場「司亭(つかさてい)」に向かい、楽しい夕飯懇親会はスタートしました。
夕飯は各々にお盆に付けられた懐石料理で、大きな海老天が2本も付いた天ぷらセットに、マグロ赤身がメインの刺身セット、、きんぴらごぼうに高菜炒め、茶碗蒸し、ご飯と味噌汁と言ったボリューム満点の内容でした。
まずは瓶ビールを頼んで、会長がスケッチ会参加者へお礼の挨拶をされまして、そのまま会長の「乾杯!」の号令と共に皆でビールグラスを「乾杯!」「乾杯!」とカチ鳴らし、交わし合いました。
私は描いた絵を持ってきましたが、皆は絵を持っていないので聞いてみると、夕飯会場での発表会は他の宿泊客に迷惑がかかるということで、夕飯後にまた417号室へ集まり発表会をすると、星川さんにまた聞きました。
そうやって2時間ばかりの間、瓶ビール以外の酒を各々に追加して夕飯を楽しんだ後、皆で417号室へ再び集まりスケッチ発表会が始まりました。
順番に左回りで星川さんから発表していきまして、3番目に私の番が来て皆の前で立って作品を見せますと、「わあ、すごい!」「さすがだな!」と、なかなかに良い反応が皆さんから返ってきました。
私は褒められるために作品は制作しませんが、皆の前向きな評価を得て「よし!」と思いました。
まあ、そんなふうな具合に私の後にも10人ほど発表し終わると、赤ワインとウイスキーで酒宴がまた始まりしばらく楽しみました。
ですが、何しろ私はへとへとに疲れていましたので、ある程度に飲みましたら部屋に帰らせてもらいました。
そして、部屋に着くやすぐさま、ベッドに身を預けて朝まで熟睡に入りました。
こんなふうに、私の「港の作家」湘南ツアー1日目は終了したのです。
【俳句】
・突風に 絵が飛び舞いる 秋の空
・秋天や 車日和の 海の町
・英国の 教会聳ゆ(そびゆ) 秋の宿
・主聖堂 耶蘇信徒往く 秋遍路
・写生後の 秋振舞(あきぶるまい)や 絵描き達