”CROSS”とは十字架のことです。
十字架は、現代では愛と平和の象徴です。
しかし、十字架は本来、古代社会の外国人への死刑道具でした。
罪の無いキリストは2000年前に十字架に架けられて処刑されてしまいました。
どこかそれは重たく、苦しく、悲しく、おどろおどろしい、イメージが伝統的に張り付いています。
自分の血を他者のために流す自己犠牲の観念がそこにあるからでしょう。
私はそういう十字架に、もっと前向きな、明るく活き活きとした価値を付加させたいと思っております。
多様性の中で、違う者同士が与えあって、クロスする。
それによって、生命の根源的な強いエネルギーが湧いて出てくるような、明るいパワーの源として描きたいのです。
本来、愛と平和は、元気溌剌とした前向きな姿勢です。
それを描きたい。
この絵を描く事を通して、伝統的に十字架にまとわりつく、重たく暗くおぞましいイメージを払拭させたいと思っております。
交わり合い、与えあうことによって生み出される、爽やかで、快活で、明朗なもの。
もっと生きていて、わくわくとするもの。
そういう新しい十字架のイメージを描きたいと思います。